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瞬発力を高めるために体幹の強化は必要か?

跳躍力や投球力などの瞬発的な身体パフォーマンスを高める為には体幹トレーニングが必要なのでしょうか。

 

皆さんはどう思いますか?

 

・跳躍力であれば脚力の強化で良い

・投球力であれば腕力の強化で良い

 

だから、スクワットやデッドリフト、ベンチプレスのBig3をやっていれば勝手に腹筋はつくだろうから取り分けやる必要はない。

 

皆さんはこんなイメージをお持ちではないでしょうか?

 

果たして本当にそうなのでしょうか?

 

確かに体幹トレーニングは地味ですし、可動性があまり出ないのでアイソメトリック系の種目が多いのも事実です。しかし、私は瞬発力を高める為には腹筋を始めとする体幹周りの筋力は必要不可欠だと考えます。

それは、体幹には身体パフォーマンスを高める3つの重要な点があるからです。

 

1つ目が、地面から跳ね返ってくる力を逃さない役割がある点です。

 

脚力がどれだけ強かったとしても、体幹が良いポジションに無ければ地面から跳ね返ってくる力は逃げてしまいます。

垂直跳びで背中が丸まっていたら高く跳べないのは力が逃げてしまっている為です。

 

では、力が逃げている箇所をどのように見つけて修正や指摘をしていくのでしょうか?

 

それは身体全体もしくはいずれかの関節が「円運動」になっていないかをチェックします。

力が逃げていると身体の重心の軌道が直線ではなく円になります。その原因を修正していかなければなりません。

 

例えば垂直跳びの離地で背中を丸めたらどうなるでしょうか?

前に丸めたら前宙になりますし、後ろに反らしたらバク宙になります。

つまり上に跳びたいのに体幹が思うポジションになければ身体が回転してしまい高くは跳べません。

前宙やバク宙は極端な例ですが、空中で身体が反ったり前傾したりするという事は地面を押すタイミングで体幹の安定性が不足している為、身体の軌道が円運動になってしまうのです。

また各関節でも同じ事が言えますが、体幹強化の話からは逸脱してしまうので割愛させて頂きます。

続いて2つ目が、モーメントアームを考えた時に末端ではなく身体の中心を意識して筋発揮を行った方が身体パフォーマンスが高まるという点です。

 

これはどういう事かと言うと、

身体の近くの筋肉の方が大きい力が出る且つ、扱いやすいという事です。

例えば、ダンベルを持つ時に身体から離して持つのと身体の重心の近くで持つのだと、どちらが重く感じるでしょうか?

 

同じ重量のダンベルだとしても体感的な重さは全く異なるかと思います。体幹から離してダンベルを持つ方が重く感じるのは、回転軸から力が伝わるところまでの距離が長くなりモーメントアームが大きくなるからです。(分からない人はシーソーを想像してください)

つまり、筋肉は脂肪よりはるかに重く(約1.2倍重い)、いわば重りな訳です。この重りが身体の末端に付いてしまったらどうなるでしょうか?

 

四肢を動かすのに大きなエネルギーが必要になってしまい、自分の思う様に身体を動かせなくなってしまうのです。

ですので、その逆を考えてみれば体幹部分の筋肉の重要性が分かるかと思います。

 

身体のコアとなる胸や背中、腹筋、臀部、ハムストリングス、大腿四頭筋の中でも長頭である大腿直筋などの体幹部分の筋肉は扱いやすいのです。

これらの体幹周りの大きい筋肉を中心に鍛えていくことが瞬発力向上の鍵となります。

また、身体の構造上末端にいくにつれて関節や筋肉が小さくなります。

末端の関節を意識して瞬発力トレーニングをしてしまうと、どうしても末端の小さい筋肉を使ってしまいます。

トレーニングで意識した末端の筋肉が肥大し、さらに動きが鈍くなるという悪循環に陥ってしまいます。

 

これが瞬発力プログラムご参加の方々にカーフレイズをさせない理由でもあります。

基本的にはふくらはぎや前腕をターゲットにした末端のトレーニングはやらせません。

プライオメトリクスなどの身体全身を使う複合的なトレーニングの結果、腓腹筋やアキレス腱のスティフネスは高くなりますので、末端をターゲット絞ったトレーニングは不要だと考えています。

 

身体の動きの中でダイナミックさに欠ける人はこの現象が起きていますので、身体の中心である骨盤や肩甲骨から力を出すイメージを作るドリルを行う必要があります。

それと並行して体幹周りの強化トレーニングを行い、日常的に動画を撮って身体の動きの修正と実践を繰り返していく必要があります。

3つ目が体幹には上半身で得た力を下半身に伝える役割がある為です。

またその逆も然りです。

 

ジャンプ時の腕振り(上半身→下半身伝達)

ゴルフのスイング時や野球のピッチング時の脚の踏ん張り(下半身→上半身伝達)が重要だという事は感覚的にも納得頂けるかと思います。

 

体幹の安定性がないと上半身⇄下半身の力の伝達が出来ません。

では、具体的にどこの筋肉の安定性が重要なのかというと上半身と下半身を結ぶ筋肉になります。

 

その筋肉が腸腰筋です。

 

腸腰筋という筋肉は腸骨筋、小腰筋、大腰筋の3つから成り立っています。

中でも大腰筋という胸椎腰椎から大腿骨の内側の小転子という所についている筋肉の安定性が重要になります。

 

この大腰筋が上手く使えなかったり、ここの筋力が不足していると力の伝達が効率的に行われませんのでパフォーマンスは中々高まらないのです。

 

特に

・膝を瞬発的に上げるダッシュ

・キック動作を伴うサッカーや空手

・片足ジャンプを多用するバスケ

の方は尚更この大腰筋が重要になってきます。

 

競技中にロボットの様にぎこちなく動いてしまう人はあなたの周りにいないでしょうか?

その様な人は上半身と下半身の連動が上手くいっていない人が多いです。

 

動画を撮って客観的に自分の動き(トレーナーの購読者であればクライアントの動き)を観察する事でこの大腰筋が適切に発火しているかを確認する事が出来ます。

 

大腰筋が上手く使えていない場合は

・骨盤が後継してしまい屁っ放り腰になっている

もしくは、

・腸腰筋と臀筋群の安定性が不足して腰が落ちて重心が下がっている事(大転子が外に出て股関節が抜ける感覚)が多いです。

 

腸腰筋以外に重要な体幹部分の筋肉は他にもいくつかあります。

腰椎の捻れ(円運動)が生じて力が逃げてしまわない様にインナーユニットの多裂筋や腹横筋などの筋肉も重要になってきます。

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