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動ける人と動けない人のトレーニングに対する考え方の違い

闇雲に筋力(最大筋力)を上げることを目指したり,筋肥大を目的としてトレーニングを行なっても,自分の目的とするパフォーマンスが向上するとは限りません.

 

どれくらいの速度で,さらにどれくらいの時間で力を発揮する必要があるのかが大切となります.

 

まずは速度の重要性について説明します.

 

力-速度関係のグラフがあります.大きな力を発揮する場合,例えば自分の1RMのスクワットやデッドリフトを行う場合,かなりゆっくりとした動きになることは想像しやすいでしょう.反対に500 gの重りであれば素早く動かしたりすることが可能となるでしょう.

 

このように,大きな力を発揮する場合には速度は小さくなり,小さな力を要する場合には大きな速度を発揮することが可能となります.

 

つまり,力と速度は反比例の関係になります.

 

筋力トレーニング(最大筋力向上を目的としたトレーニング)を行えば,速度が小さく力の大きい領域でのパフォーマンスが向上します.

 

一方で,瞬発力を目指したトレーニング,例えば自体重を用いたトレーニングや軽い重さでのトレーニングを最大速度で行えば,速度が大きく力の小さな領域でのパフォーマンスを向上させられるでしょう.

続いて,時間の重要性について解説します.

 

みなさんが目的とするパフォーマンスで要求される時間はどれくらいの長さでしょうか.すなわち,どれくらいに短い時間の中で大きな力を発揮しなくてはならないのでしょうか.

 

そうした時間を全く考慮せずに闇雲にトレーニングを行なってしまうと,「0.1秒で力を発揮しなくてはいけない競技であるにもかかわらず,1秒かかって発揮できる力を向上させてしまっていた」というような状況に陥りかねません.

 

ここで大切となるのが力の立ち上がり率(RFD)です.これは,短い時間で(力も時間もゼロから)でどれほど大きな力を発揮できるのか,ということです.

 

0.5秒後に100の力を発揮できるA選手と,0.5秒後に50の力を発揮できるB選手がいるとしましょう.このとき,ジャンプ力やスプリント(短距離走)を競った時,技術レベルが同等してもB選手がA選手よりを上回ることがありうるのです.

 

この理由がRFDにより説明されます.

 

スプリント,走り幅跳び,野球の投球,垂直跳などを行う際の力の発揮に要する時間はおよそ0.03〜0.2秒と言われています.その短い時間のなかでどれほどの大きな力を発揮できるのかがそれらのパフォーマンスを大きく左右します.

 

スクワットやデッドリフトの1RMといった最大筋力の発揮にはおよそ0.3秒ほど必要と言われていますが,スプリントにおける接地時間は0.1秒以下,走幅跳の踏切時間は0.12秒以下,野球のスイングでは0.25秒程度,垂直跳では0.3秒以下と言われています.

 

そのため,たとえ最大筋力が大きかったとしても,RFDが小さければ,すなわち大きな力を発揮するまでに長い時間が必要となってしまえば目的のパフォーマンスは高いレベルには達しないことが往々にして起こるのです.

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